全てを失った先にあるもの



どこで間違ったんだろう



黒の騎士団に入ったけど、ゼロのやり方に納得が行かなくて


そして日本開放戦線に入って


そうしたら黒の騎士団といつかは戦うかもしれないってわかってたはずなのに


千葉さんとカレンが戦っているところをみてー




さすが黒の騎士団のエースと日本解放戦線の四聖剣の一人。

紅蓮弐式の輻射波動と月下の廻転刃刀を同時にうけて、ライの月下は修復不可能
な所まで破壊された。

二人の攻撃を受けた瞬間、反射的にカレンの輻射波動を甲壱型腕で相殺し、千葉の
閃光の一撃を廻転刃刀でずらしコックピッドを無理やり廻転刃刀で押し出していな
ければ、間違いなく即死だっただろう。


それにもしライがライ専用の月下でなければ、反応速度に追いつけなかったし、
中に乗っているパイロットがライ出なければ驚異的な反射神経は無かっただろうし
、そもそもこの蒼の月下を使いこなせなかっただろう。



潰れかかったコックピッドの中、ライは体を動かそうとした。


その瞬間体に激痛が走る。


どうやら体中の骨が折れているらしい。


視界がだんだんぼやけてきて、口の中が血の味でいっぱいになった。

頭がぼーっとしてきた。

(やっぱり僕は死ぬのかなぁ・・・)

死ぬ前にやっておきたい事を考えたら何も浮かばない。
(ぼくは幸せだったんだろう)

そう思ったら、なぜか学園のみんなのことが頭に浮かんだ。



(・・・ミレイさん・・・シャーリー、リヴァル・・ニーナ・・・)


もしかしたらこれが走馬灯というのかもしれない。


(ナナリー、ルルーシュ・・・カレン、スザク・・・ゼロ・・・)



ゼロの名前が出てきたとき、やっておきたかった事を思い出した。


スザクとゼロはやり方が違うけど、目指していることは同じだ。

いつか絶対二人の進む道は交わるはずだ。


だが二人は、頑固なところがそっくりなので、二人とも反発しあい、もしかしたら
道が別れてしまうかも知れない。


だから二人が共に道を進めれるようにもう少し一緒にいたかった。




「ゼロ・・・スザク・・・」

そしてライの瞳から涙がこぼれた。



その時、コックピットの外で大きな音がした。


何だろう、と思ったら無理やりコックピットがねじあけられた。



ぼやける視界のなかライは意識を失う前、二つのものをみた。


それはほのかな月明かりのフクオカの空と


ルルーシュを思わせる漆黒の長い髪だった。