世界が平和になる日


















ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア99第皇帝




父である前皇帝シャルル・ジ・ブリタニアを倒し、兄であるシュナイゼル・エル・ブリ
タニアも仲間につけた。



フレイヤを使い、黒の騎士団も全世界全てを手に入れた唯一の皇帝陛下。










もうライにはルルーシュとスザクの考えていることが分からなくなっていた。






ライは元々黒の騎士団の作戦補佐になってからずっとゼロに従ってきた。



ゼロの仮面が取れた時、その時ライは意識不明の重態で倒れていたが、団員から話
を聞いた瞬間月下蒼雲で飛び出していった。






彼に追いついたとき全ては終わっていた。



ルルーシュは皇帝になっており、そして全世界の征服者となっていた。











『ルルーシュ・・・これはどういうことなんだ?』

ライはフレイヤによって無くなった地形・町・人を目にした。


『見たとおりだ。』

ルルーシュはそれに対して顔色変えることなく平然に言う。


『!?っだったら君は今まで世界征服の為にやってきたというのか!?』

ライの目元が厳しいものになってもルルーシュは気にも留めない。




『ああ、そうだ。』


『ナナリーや、黒の騎士団の人たちも殺す気なのか!?』



『ああ、そうだ。』

ルルーシュはけっしてライに目を合わせることが無かった。



ライはルルーシュを睨み付けていたが、暫くして目線を落とした。



『・・・君は変わったね・・・』



『当たり前だろう?一年前とは違うんだよ。
 環境も自分自身も。』


『そうか・・・残念だよ』



そしてライは無言で部屋を出た。



まっすぐ歩いた先は格納庫。


(僕が今この月下で出来ることは・・・)





ライはじっと月下蒼雲をみつめた。


強敵と言われる圧倒的な戦闘力を持った人間は今はあまりいない。


ナイトブラウンズは全滅。

ナイトオブゼロも・・・スザクも戦死した。

残ったナイトオブシックスもとらわれている。

黒の騎士団の主要メンバーは捕まっている。


星刻は生死不明。



となると見方はいないが、残る強敵はジェレミア卿のジークフリートぐらいだろうか。

だが勝ち目は無い。

元々戦術で勝負するルルーシュ。


こちらにあるのはナイトメア一騎。


向こうは量産型の第七世代以降のKMF数百万台。



数からしてすでに負けている。


その上ルルーシュにはフレイヤという最終手段もある。







(僕は・・・どうすればいいんだ・・・!)



あの時ルルーシュと交わした約束は永遠のものだと思った。



(なのに、もう彼に僕の言葉は届かないのかっ)






また、守れない。








そしてライは手をぎゅっと握り締めて月下にぶつけた。




「おいおい、八つ当たりは良くないぞ?」


声の方をゆっくり振り返るとそこにはC.C.が格納庫の扉によっかかっていた。





「・・・C.C.」

ライが名前を呼ぶとC.C.はゆったりとした足取りで近づいてきた。


「お前は何かする気か?
 予定外の行動をされるとこっちは困るんだが。」


「・・・僕には・・・もう何も出来ない。」


自分にある最後の武器であるギアスももう使えない。




もう自分にはルルーシュを止められない。




「『何も出来ない』か・・・

 ならば私と同じだな。」

そう言ってC.C.はいつもの余裕の笑みを少し悲しいものぶ変えた。

「えっ?」


「あの二人が決めたことだ。私にももう、あいつらをとめる事が出来ない。」


「C.C.それはどういうことだ?」

C.C.はゆっくりライを見つめた。

「そうだな・・・私には何も出来ないがお前なら出来るかもしれない。」



(あの二人って・・・まさか・・・)


「ライ、手を出せ。」


C.C.がライに真っ白な右手を差し出した。

ライは迷うことなくその手をとる。



「お前に話すことがある。『ゼロ・レクイエム』をー」






















運命の日。



ゼロ・レクイエム。



その日を堺に世界は変わる。









その日の朝早く、ライはルルーシュを訪ねていた。


「ルルーシュ皇帝陛下、お時間はありますか?」

ライの前日とは違うよそよそしい態度を受けつつもルルーシュは顔色を変えずにいた。


「少しならある、用件は何だ。」



ライはまっすぐルルーシュの目をみた。


「僕はー





































最後の戦いから二ヵ月後。

皇帝直轄領となった日本で死刑が行われる。




黒の騎士団の重要メンバーと、ブリタニア皇族が捕らえられている。





(こんなとき、ライがいたら・・・)


カレンは運ばれていく人をただ静かに見ていた。


抵抗したところで無駄。


運良くこの拘束を抜けれたところでナイトメアに射殺されて終わる。



カレンは静かに現皇帝陛下であるルルーシュを見上げた。



「えっ?」


それと同時に周囲がざわめき始めた。

カレンははっとして前方を振り返った。


そこにいたのは



「ゼロ!?」


だれかが叫んだと同時にその『ゼロ』は走り出した。


ナイトメアが一斉に射撃するのも全てよける。


その尋常じゃない動きにライはその『ゼロ』の正体を理解する。



「まさか、ルルーシュたちがやろうとしてたことって・・・」




『ゼロ』の勢いが止まらないままジェレミア卿の前まで行く。


そしてあっけなく乗り越えまっすぐにあるところまで目指す。



誰もが呆然としている中、スザクはルルーシュのところまで飛んだ、だが。


「っライ!?」


スザクが飛んでいるときに目に入ったのはルルーシュそっくりなライ。


「なんだもうばれたのか」

スザクの言葉は聞こえなかったが仮面をしていてもその動揺はライに伝わったらしい。



(そう、これでいいんだ。)

ライは紫のコンタクトレンズを外した。











『僕は君の事がすきなんだ。』


行き成りの告白にルルーシュは驚いてポーカーフェイスを崩した。

そんなルルーシュに構わずにライは続けた。

『確かに君はたくさん人を殺してきた。

 もう償いようの無い罪もある。




 だからね、ルルーシュはその罪を償うべきなんだと思う。


 君にはナナリーもいるしね。








 僕は本来あの時死んでなければならなかった。



 僕がここにいること自体が間違いなんだ。

 だからね、ルルーシュ、君は、

 君には生きて欲しいんだ。





 生きて、君が作った平和を守り続けるべきなんだ。



 だから・・・』


そう言ってライはルルーシュの首の後ろをトンと手刀で気絶させた。



意識の無くなったルルーシュをC.C.に任せて、ライは咲世子に教わった方法で変装を
した。




髪の色も目の色も変えた。



そしてC.C.とギアスの契約を結んだ。


ライは前に一度スザクにギアスを使っている。


スザクなら多分気づくだろうとのことでライはまたC.C.と契約をした。



ライのギアスは音声によるものであるが、ギアスのマークを隠さないため、ライはコン

タクトを外さなければならない。








カレンが自分の名前を呼んでいた。

(なんだ、僕の変装はばればれじゃないか・・・)

そう思ってふっと笑った。





動揺しつつもまっすぐ飛んでくるスザクにライは蒼い瞳を向けた。






そして最後のギアスを掛けた。




「ライが命じる・・・君の前にいるのはルルーシュだ!」







そして、



スザクが気がついたとき、ライのお腹に剣が刺さってるのが見えた。


スザクの体が動揺して止まってるのを見てライは静かに声を出した。


「君は今『ゼロ』だろう?」


その言葉に反射的にスザクもとい、『ゼロ』は剣を抜いた。


そのままライは前に倒れこんだ。



「お兄様!」

目を閉じ、倒れこんできたライをみてナナリーはぽろぽろと涙をこぼした。


冷たい感覚にライは目をゆっくりと開けた。

「・・・ナ、ナリー・・?」


「その声、もしかしてライさんですか!?」


ナナリーはぽろぽろと涙をこぼしている目を大きく開けた。


「・・・ル、ルーシュ・・・と・・しあわ・・せ、・・に・・」


そう言って再びライは目を閉じる。



「待ってくださ、ライさん、ライさん!!」













ライは意識がだんだん遠くなるのを感じた。







ゼロの名前を呼ぶ歓声、そして誰かが泣く声。







薄れていく意識は怖いものではなくて、暖かくて優しいものだった。






(こんどこそ、みんな幸せな世界であってくれ)














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続くかも知れないです・・・

一応ルルライです。

それにしてもやっぱりグダグダ感が抜けないですねー;;



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