公認の黙秘事項
春のある日のこと。
ブリタニア宮殿の中庭では二つのKMFが激しいバトルを繰り広げていた。
片方はランスロットアルビオン。
ナイトオブセブン専用機として、キャメロットで開発された第九世代KMFである。
神聖ブリタニア帝国第99代皇帝により、ナイトオブセブン・枢木スザクへと与えられたロイド・アスプルンド伯爵と助手のセシル
・クルーミーの最高傑作。
翠のエナジーウイングはパイロットの瞳の色と同じで、彼の指示通りに動き回る戦機。
反応速度の速さではどの機体ににも劣らない。
そしてもう片方は紅蓮聖天八極式。
純日本製のKMFで、黒の騎士団のエース・紅月カレン専用機である。
中華連邦の神虎により破壊された紅蓮可翔式をある科学者たちの個人的な趣味・思考により改造された最強兵器。
スペックはランスロットアルビオンを僅かだが超えており、その破壊力はまさに最終兵器。
だが扱いが難しく、神虎のようにパイロットを選ぶ。
二つのKMFの戦いに無駄な動きは全くない。
紅蓮聖天八極式が輻射波動を展開する。
それをランスロットアルビオンがぎりぎりのところで全てを回避する。
回避ついでにメーザーバイブレーションソードで右腕を狙う。
だが紅蓮聖天八極式はそれを左手で掴んだ。
「よしっ!」
(このまま輻射波動を展開すればっ!)
カレンの歓喜の声が少し漏れる。
「まだ甘いよ、カレン。」
「えっ!?」
カレンが驚いたのはその余裕たっぷりの言葉ではなくその声にだった。
その驚きが全てを決める。
互角の戦いは一瞬の油断によって勝敗が決定する。
紅蓮聖天八極式は右手を逆に捕らわれてそのまま体制を崩す。
慌てて逃れようとするがランスロットアルビオンにより後ろから組み敷かれる体制になり身動きが取れなくなった。
動かなくなった二機にゆっくりとした歩調で近づいてくる人間が二人がいた。
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長くなってしまったので少し分けて更新です。
犀羅様への14741HITのものです。
続きます。
2009.1.28
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