体と心の変化







そこはナイトオブスリー専用のブリタニアの私室。


「・・・うーん・・・」


ライはベットに座り、じっと自分の手を見つめていた。




「どうした、ライ?」


「なんか変な感じがする・・・」


「は?」


ライはジノに右手を出した。


それは傷一つ無く、病人のように白い普通の手だった。


「別に変なところは・・・」


「ある。」


ライの言っていることが良く分からず、ジノは首を傾ける。



「僕は一時期、ある人物と一緒に軍にいたときがあったんだ。


 その時任務中に怪我をして、右手を5針ほど縫った。



 なのに・・・。」




ライの右手はさきほど見たように傷一つない。


そしてジノも違和感をライに感じていた。


「なあ、ライって慎重どの位なのか?」


「えーと、・・・」


(具体的には計ってないけど、スザクと同じくらいだから・・・)



「ひゃくななじゅう・・・・ご、辺りかな?」


「本当に?」


「ああ、多分その位だ。」


「・・・ライ、立ってくれないか?」


「え、」


ジノに言われるがままにライはベッとから立ち上がりジノを見上げた。

ライとジノの慎重差は結構あり、どう見ても一個したには見えない。

「・・・やっぱり。」


「ジノ、何が言いたいんだ?」

「ライの身長175・・・って言うより170も無いよ?」


ライの思考は一瞬止まった。


そしてすぐに言い返そうとしたら、頭に重いものがのった。


「やっぱりなー、でもこの位が丁度いいかも・・・」


ジノはライの肩に腕をまわし、首の前で交差させ、顎をライの頭に乗せた。




「やっぱりライは可愛いな〜・・・」


ジノに抱きつかれても何も反応しないのには理由があった。


頭の中では色々な予測が展開した。



(単にやつれただけじゃ、背はこんなに縮まない・・・


 それに体にあるはずの呪いが全く感じられない・・・


 ということは呪いは誰かの手によって無理やり解かれた!?


 いや、解くというのは僕でさえ出来ないのに不可能だ。


 なら考えられることは・・・)



「・・・ジノ、V.V.はなんか言ってたか?」


「うーんそうだな・・・気になったことは『戻す』ってことかな?」


「?、それはどういうことだ?」


「ライの呪いを解くって言ったときに言ってたけど。」



(怪我が消えた・・・体が縮んだ・・・呪いが解けた・・・そして『戻す』・・・)

そしてライは一つの結論に行き着いた。

「もしかして!!」


「なんか分かったのか?」


「推測だけど、けどジノ取り合えずこの手を離してくれ。」


「えー、もう少しいいだろ?」


「・・・」


ライは無言で眼を細め、睨み付ける。

「・・・分かりました。」


仕方が無くジノが手を離すとライは少しため息をついて話を続けた。



「・・・多分僕は、正しくは僕の体は呪いを掛けた日の前日、

 要するに2年前のハロウィンの日のものになってる。」


「は?」

呆然とするジノを見上げてライは言葉を続ける。


「僕は今、16歳の体に戻ってるってことだ。」





























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